写真:日南市風田浜の子海がめ

研究テーマ


 宮崎には多くの魅力的な観光資源があるにもかかわらず、情報の発信不足により利益を損失していると言われている。そこで、「海外へのICTを活用した情報発信のための仕組みづくりやコンテンツ作成」に取り組んでいる。中国語や英語などでグルメレポートをYouTubeで発信する「多言語グルメレポート」や「多言語観光レポート」などである。比較的新しいコンテンツを含んだWEBサイトとSNSを組み合せて、インバウンド旅行者のための「情報発信」に取り組んでいる。

 一方「受入れ態勢」としては、中国語・英語マップ(油津商店街)、中国語・英語メニュー(油津商店街)などを作成し旅行者に提示している。「情報発信」と「受入れ態勢」の両方を仕組み化し、実証実験を行いその効果をヒアリング調査やアクセス分析ツールを使って検証している。

研究テーマ1「地域の国際化」

1)日向市のトーゴ共和国ホストタウン研究事業

 研究室を運営・管理する私(金岡保之)は、宮崎大学地域資源創成学部で教員を務める傍ら、2011年に一般社団法人日本トーゴ友好協会を設立し、会長をしています。東京オリンピックパラリンピック競技大会を契機に、研究テーマである「地域の国際化」を進めようと考え、トーゴ共和国(以下、トーゴと呼ぶ)の日向市へのホストタウン登録のきっかけを作りました。

 トーゴは、西アフリカに位置する国で「アフリカの笑顔」と呼ばれており、気候、食、人柄などで日向市と多くの共通点があります。

 2019年12月に日向市がトーゴのホストタウンに登録をされ、宮崎大学金岡研究室は、日向市、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局、トーゴ大使館等と連携して様々なプロジェクトを進めて参りました。

 

1)女性アスリートモデル事業(2019年3月6日〜10日)で、トーゴから女性アスリート(マラソン種目)、打楽器演奏のエンターティナー、トーゴ日本友好協会代表者の3人と駐日トーゴ大使館外交官ら2人の計5人のトーゴ人が日向市を訪問しました。日向市の保育園・小学校・高校生ら市民とトーゴの伝統楽器やダンスなどで交流し、「ひょっとこマラソン」にも出場しました。(交流事業の紹介動画 https://youtu.be/b871Z1X9uT0

2)第7回アフリカ開発会議(TICAD7)サイドイベント(2019年8月)に、研究室は日向市と参加し、日向市の橘ひょっとこ踊り保存会とジャンベ演奏グループのメンバーが連携して、音楽とダンスでイベントを盛り上げました。

 また、来日中のトーゴ共和国ニャシンベ大統領を十屋日向市長と共に表敬訪問し、ホストタウンの取り組みを説明しました。

3)宮崎県で、様々なホストタウン国際交流イベントを日向市などが企画し、研究室のゼミ生が運営や情報発信などを協力して行いました。

4)2019年12月、日向市の東京オリンピック・パラリンピック競技大会・ホストタウン相手国である、トーゴ共和国のAVE地区ヘトウィ村に安全な水を供給する目的で井戸1基を修繕しました。それにより約460人の村民は過酷な水汲みから解放され、公衆衛生上安全な水に容易にアクセスが可能となりました。

5)今後は、日向市でトーゴ共和国独立60周年記念事業の開催を予定しています。内容は、60周年記念植樹、東京2020オリンピック聖火リレー、日向市・駐日トーゴ共和国大使館・日本トーゴ友好協会の3者協力協定締結などです。

 

2)インバウンド旅行者総合パッケージモデルの構築

「インバウンド旅行者のための総合パッケージモデル」として、「情報発信」及び「受け入れ態勢」の両方を台湾語版で構築した。


パッケージモデルの内容:

台湾語ホームページ「Miyazaki Gourmet Report」 

台湾語SNS等 (Facebook fanpage, Instagram, Twitter, PTT, Dcard)

台湾語食レポ(チキン南蛮、海鮮丼、魚寿司、鍋焼きうどん、うに丼など)

台湾語マップ(油津商店街)

台湾語メニュー(油津商店街)

 

3)地域に適したインバウンド旅行者受入体制の分析

海外からの飛行機での入国する個人旅行者に加えて、日南市油津港には中国・台湾からの大型クルーズ船の来航が急激に増加する(2016年3月から6月だけで10隻予定)。数千人規模のインバウンド旅行者の対応が迫られる中、当地域では早急なインバウンド旅行者受入体制の構築が求められている。

具体的には、「平成27年度、宮崎大学地域貢献推進事業」などのプロジェクトで、日南市、高千穂町などで、有志の宮崎大学留学生や日本人学生と現地入りし、市の担当者と打ち合わせをした後、「多言語グルメレポート動画」数種類を作成し現地で活用されている。また、地域の魅力を発信する為の「多言語、食のレポート動画」を作成し、インターネットでグローバルに情報発信するなど外国人旅行者の受け入れサービスを開発し、効果を分析している。さらに、英語や中国語でのアンケート調査も行っている。

(本研究は2016年3月1日の宮崎放送報道「MRTニュースNext」の特集で放送された。)

4)日南グローバルICTプロジェクト

日南市・油津商店街テナントミックスサポートマネージャーの木藤亮太氏や、日南市の飫肥地区まちなみ再生コーディネーター徳永煌季氏と共同して、日南市飫肥地区と油津地区などを対象に、「地域資源のデジタルマーケティング」を実践している。学生のボランティア団体「グローバルICTプロジェクト」が自主的に協力している。これらのプロジェクトを企画・運営し、効果を分析・検証する。最終的には、研究プロセスや成果を地域社会に還元することを目標としている。

①外国人旅行者のために中国語、英語での「多言語マップ」の作成

②地域の特産品を留学生が食べて中国語、韓国語、英語などでレポートする「多言語グルメレポート動画

③観光地やレストランなどで、留学生がInstagramやTripadvisorなどに登録し、観光地の知名度を上げたのち、一般旅行者が自発的に登録する仕組みを構築する。
④台湾向けに中国語ウェブサイトを立ち上げた。

“Gourmet Report For Miyazaki”  http://japan-miyazaki.jimdo.com 

 

5)地域グローバルインパクト

宮崎の各地の「地域の国際化」の目的で、グローバル化の変化をもたらすようなインパクトを及ぼすプロジェクトやプログラムを考案し実践する。

 

・トーゴ大使の宮崎/九州初の訪問

2017年7月12日〜14日にかけて、駐日トーゴ共和国大使館のセダミヌ・アフォニョン・クアク臨時代理大使が、宮崎大学で講演した。また、トーゴの名前にゆかりのある、日南市東郷地区や日向市東郷町などを訪問した。詳細はこちら

研究テーマ2「本学留学生の地域連携の促進」

留学生の教育・研究・日本文化体験などをサポートするメソッドについて研究している。宮崎大学国際連携センターや産学・地域連携センターなどの学内組織の他、県内の企業、地方自治体、日本青年会議所の非営利法人組織などと幅広く連携してプログラムを開発している。

(活動例)

・2015年秋 坂元棚田収穫祭(於、日南市酒谷地区)

留学生13カ国55名を動員し、そば打ち体験、餅つき体験、地域住民との連携プログラムを実施。

・2016年5月22日 第6回宮崎国際フェスティバル(日本青年会議所主催)世界のファッションショーを企画・運営を実施。10カ国40人の留学生と地域学部生など約30人の宮大生が参加。(本研究は2016年5月24日の宮崎放送報道「MRTニュースNext」の特集で放送された。)

研究テーマ(教育)3「大学生の自主活動の活性化」

本学学生団体の活動、組織、運営、コラボレーション等のアドバイスを行うと共に、学生が自ら組織を運営して学ぶことの大学教員としてのサポートとは何かを研究している。

(対象団体)

①「グローバルICTプロジェクト」 ICTを活用し、訪日外国人旅行者の受け入れ態勢構築や宮崎の食の魅力の発信をするなど「地域の国際化」をテーマとした活動をしている。

②「宮崎カンキツ広め隊」 ICTを活用し、宮崎の柑橘の魅力を国内外に情報発信。平成28年度「宮大チャレンジ・プログラム」採択決定。

③「雑誌mU-Um(ムーム)プロジェクト」 定期発行の雑誌で、地域学部の活動や地域の魅力を情報発信。平成28年度「宮大チャレンジ・プログラム」採択決定。

④「ベーコンズ」 豚の飼育→屠殺→加工商品開発→試食(販売)の六次産業の仕組みを実践。

⑤「つながり大作戦」 東北大震災の経験を宮崎の防災に生かす活動を県内他大学と連携。

⑥「宮崎大学南海トラフ対策会議」 南海トラフ地震に備えるために、学生主体となって行政、NPO、まちづくり協議会、マス・ローカルメディアなど地域の様々な組織と連携して啓発活動を行う。大学では防災弱者となる留学生に対しても情報発信する。

 

 

「宮崎大学 第24回技術・研究発表交流会」ポスターセッション(2017年9月)

宮大研究シーズ 集の掲載 研究テーマと概要(2016年9月)

ダウンロード
2016年9月時点での、研究概要をA4で1枚にまとめた書類のダウンロードが可能です。
研究シーズ金岡保之.pdf
PDFファイル 242.0 KB